難所を越えると全部終わった気になる罠―――大川硝子事件
スマホの機種変で失敗したことがある。 メッセージアプリのトーク履歴だ。変更前の端末でバックアップを取っておき、変更後にデータ移行しなければならない。だが、そんなこと考えもしなかったのだ(アカウントを引き継げば、あとは全データが移行されると思い込んでいた)。結果、連絡先の引っ越しはできたが、トーク履歴は、直近を除いて消えた。...
View Article本に埋もれて本と生きる『本の虫の本』
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 20018年12月26日 なりたくて本好きになったのでないから、止めたくて止められるものでもない。 活字中毒という便利な言葉があるが、スマホに魅入るのとは違うので、本中毒なのかもしれぬ。本書によると、中毒にはレベルがあるらしい。 本好きのレベル(あるいは深刻度) 本好き 50冊ぐらい家にある 読書好き 100~200冊 書豚(しょとん)...
View Article猫好きは本好きである『文豪の猫』
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 20019年1月4日 猫が好きな人は本が好きである。 これ、わたしの友人を通じて知ってた。猫を飼っていたり、飼ってはいないけど猫に寄ってこられる人は、必ずと言っていいほど本が好きなのだ。文筆業に携わっている人も猫率が高いので、都市伝説というより定説の一種だと考えていた。...
View Articleこの世でいちばん面白い小説
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2009年3月29日 筒井康隆が「ひとつだけ選ぶならコレ」とベタ誉めしてたので手を出す。ジュヴナイル向け「巌窟王」で読んだつもりになっていたが、今回、岩波赤版「モンテ・クリスト伯」でブッ飛んだ。...
View Article官能小説の奥義
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2010年3月1日 タイトルに偽りなし。官能小説の奥義だけでなく、書き方指南まで開陳してくれる、ありがたい一冊。...
View Article客の言うことを信じたら、移行できないデータが出てきた――国際確認検査センター事件
データ移行が厄介なのは、その遅効性にある。 知らない人は「旧システムのDBから抜いて、新システムにデータを移すだけでしょ?」なんて簡単に言う。だがそれは、酷い目に遭ったことがないから。 データ移行は、調べれば最初にすべて分かる、という仕事ではない。データをもらって調べて初めて、次に何を調べなければならないかが分かる。調査や検証を厚くしても、契約前の段階で、不確実性をすべて消すことができない。...
View Article『はざまの哲学』はスゴ本
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年1月6日 「哲学は何の役に立つのですか?」 哲学をやっていて良いのは、メタ的に疑う目を養えることだ。 たとえば、「哲学は何の役に立つのですか?」という質問が、どんな前提で発せられており、その前提が孕む別の問題に気づけるようになる。...
View Article『眼の誕生』はスゴ本
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年1月22日 「世界の見えかたが一変する」という意味で、目からウロコの一冊。 先入観やバイアスは、明示されるまで気づかない場合が多い。例示されて初めてハッとする。それまで、「見えている」と思っていたものが、実は「見て」すらいなかったり、「見える=存在する」という思い込みの強さに囚われていたことに気づく。 見えていない ≠ 存在しない...
View Article知的冒険の書『ウンベルト・エーコの世界文明講義』
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年2月3日 知の巨人ウンベルト・エーコの、十余年にわたる講義録。 美と醜、虚構と陰謀、絶対と相対など、抽象的なテーマを俎上にのせ、フルカラーの図版を通して、具体的に迫ってゆく。ニュースやメディアで馴染んだネタから、ネットを駆使して追いかける必要のある美術作品まで、知的に振り回されるのが楽しい。...
View Article『会計が動かす世界の歴史』はスゴ本
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年2月10日 シャーロック・ホームズの金銭感覚や、ダーウィンの資産活用から、会計と革命の意外すぎる関係、複式簿記から解き明かす知性の進化など、歴史を縦横に行き交い、ミクロからマクロ経済まで自在にピントを合わせながら、人類の歴史を損得の視点から紐解く。...
View Article要求は減らない、予算も納期も変わらない――追い詰められたPMを、誰が守るのか(財務分析ソフト事件)
一般に、ユーザ側で案件窓口となる人は、圧力高めで押し出しが強い人が多い。地声が大きく、言いたいことをハッキリ言う。 ただ、圧力高めな人がたまたま窓口になるのではない。おそらく順序は逆だ。全社的なプロジェクトで、社内の意見をまとめ、予算を確保し、ベンダと交渉するには、それくらい押しの強い人が必要とされるのだろう。...
View Article『ウイルスの意味論』はスゴ本
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年2月24日 見えてるはずなのに見ていないことに気づくと、より世界が見えるようになる。目にウロコなどなく、先入観に邪魔されていただけなのだ。そして、先入観に気づくだけで、世界が一変する。なぜなら、そこに「ある」という確信をもって、見ようとするからだ。 「惑星系=太陽系」という先入観...
View Article苦しまないと死ねない国で、上手に楽に死ぬために『医者には絶対書けない幸せな死に方』
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年3月3日 生活や仕事の質を上げるテクニックが「ライフハック」なら、本書は、安らかに死ねるためのテクニックを集めた「デスハック」である。QOL(Quality Of Life)ならぬQOD(Quality Of Death)を向上させるノウハウ集やな。 「平均寿命」-「健康寿命」≒ 10年...
View Article移行をナメると高くつく―――建設現場リース物件管理システム事件
「データ移行作業」を軽視するのは、営業担当者に多い。 旧システムにあるデータを抜いてきて、新システムに入れるだけだから、いわばコピー&ペーストみたいなものだろうと考える。データ形式に違いがあっても、一括変換の移行プログラムを通すだけの手間に過ぎないと見なす。...
View Article山が好きだからといって善人とは限らない『闇冥』
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年3月10日 三大「〇〇好きに悪人はいない」のカウンターができた。 犬好きに悪人はいない → 『愛犬家殺人事件』 子好きに悪人はいない → 『IT』 山好きに悪人はいない → 『闇冥』...
View Article後知恵を先知恵にする「ジェイコム株誤発注事件」
「言ったよね、ちゃんと確認しないとダメって」 トラブルが起きると、ドヤ顔で口撃してくる人がいる。原因が判明した後になって、「なぜ、その原因を前もって潰しておかなかったのか」と詰めてくる。 全てが分かった「後」なら、リスクを減らす方法も、トラブルを回避する方法も思いつく。だが、トラブルが起きる「前」に、その原因を知るのは難しい。...
View Article『戦争の世界史 大図鑑』はスゴ本
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年3月13日 古来、歴史とは戦史を指す。人類の歴史が始まって以来、人は常に戦ってきた。 古代から現代まで、戦争の歴史を俯瞰する本書を眺めていると、どの時代であれ、必ずどこかで戦争が行われていることが分かる。戦争がない世界の方が例外であり、戦争が人間の常態なのだ。...
View Article1巻完結ラノベの傑作『MONUMENT あるいは自分自身の怪物』
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年3月17日 妻が珍しく薦めてきたのがこれ。 妻は、わたしの3倍くらい読むのだが、小説は、不思議なほどに被らない。お互い好き勝手に読み散らかし、海外、国内、ジャンルも選り好みしないものの、同じ一冊にたどり着いていた、ということはあまりない。それだけ小説という世界が豊穣なのか、夫婦ともども先鋭的に選書してるのかは、ご想像にお任せする。...
View Article川上未映子・村上春樹の対談『みみずくは黄昏に飛びたつ』がタメになるのでまとめる
過去記事の再公開(事情は[こちら]) 初出 2019年3月23日 物語を紡ぐ人、解く人にお薦め。 小説論としても小説家論としても面白いし、村上春樹の深いところを掘り出しているのもいい。村上春樹が語ってきたことは様々な本になっているが、同じく日本語で小説を書く川上未映子が、「作家∧読者」という立場からインタビューするのは珍しい。谷古宇さん、素晴らしい本を薦めていただき、ありがとうございます。...
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